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緑内障手術

日帰りで緑内障手術に対応

緑内障治療は、点眼療法から開始します。しかし、点眼を続けるのが難しい場合や、治療効果が不十分な場合は手術やレーザー治療を行います。緑内障は、房水と呼ばれる眼の中の水が上手く出ていけなくなり、眼圧が上昇して視野が欠けてくる病気です。この房水の流れを良くするために、房水の出口についている線維柱帯と呼ばれる蓋を切り開く手術や、新たな流れ道を作る手術があります。
当院では日帰り手術が可能で、白内障手術と一緒に行うこともあり、患者様の肉体的・精神的な負担軽減に努めております。緑内障で欠けた視野は、通常元には戻りません。視野の回復は困難ですが、点眼、手術、レーザー治療を用いて眼圧を低くすることで、残された視機能を守ることは可能です。近年多くの緑内障点眼薬が開発されており、点眼で十分眼圧が下がる方が増えています。手術を受ける患者様の割合は、以前と比較すると減少していますが、手術でしか視野の進行を止められない方もいますので、その方の病状に合わせた最善の治療を選択する必要があります。

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緑内障手術の流れ
(ご予約から
アフターフォローまで)

1手術前の検査

診察を行い緑内障手術の方針になると、まず術前検査を行います。
角膜径や眼軸、角膜内皮細胞数などを測定します。また、採血を行い感染症のチェックや手術に支障となる全身疾患がないかも確認します。

2術前準備

手術当日、予定手術時間の1時間前に来院頂きます。手術前の飲食の制限は有りません。手術開始前より点眼麻酔を開始し、出来るだけ痛みを感じないように配慮しています。散瞳点眼を行い、目の周囲をヨード消毒液で清潔にして、無菌化を行います。

3手術室入室

手術室に入り、ベットに仰向けになり、顔に清潔な敷布をかけて手術開始します。手術中は、血圧や血中酸素濃度を測定し体調が問題ないか常に確認しています。リラックスできるBGMを聴きながら手術を受けていただけます。手術する眼は、顕微鏡の光で常に照らされているため眩しいですが、メスなどがはっきり見えることはありません。局所麻酔の手術に不安を感じる方は多いですが、医師・看護師が頭元に常に居ますのでご安心下さい。手術中に何かありましたら、お声を掛け下さい。手を止めて、その都度対処いたします。

4切開

術式によって切開の方法は異なりますが、MIGSであれば、角膜輪部に1mmの切開を2カ所作成します。
トラベクロトミーやトラベクレクトミーではれば、強膜に4mm×4mmの傷を作ります。
手術は点眼麻酔に加えて、テノン嚢下麻酔注射を行うため痛みは感じませんが、0.1mm単位での細かな操作をしていますので、出来るだけ動かないように気を付けて下さい。

5房水の流れ道を作る

トラベクロトミーでは、房水の出口にある蓋である線維柱帯し眼圧を下がりやすくします。
トラベクレクトミーでは、強膜を切除し目の表面、結膜の下に房水が流れ出る新たな道を作成します。

6緑内障手術終了

当院では、全ての緑内障手術を日帰りで行なっています。手術終了から30分安静に過ごして頂き、問題なければ帰宅可能です。手術の翌日から日常生活に大きな制限はありません。手術の傷があるため数週間は、充血や異物感、目やになどが継続しますが、徐々に改善しますのでご安心下さい。また、車の運転は見えにくさを感じて事故に繋がりかねませんので、医師に相談してから開始するようにしましょう。

7緑内障手術後の診察

手術後はしばらく眼圧が不安定になりますので、小まめな受診が必要です。特にトラベクレクトミーでは、適切な時期に縫合糸をレーザーで切開していく必要があります。通常は数週間程度で眼圧は安定し、1−2ヶ月毎の受診になります。緑内障は手術後も長期的な管理が必要で、数年後に再手術を要するケースもあります。眼圧が下がっても油断はできませんのでご注意ください。緑内障によって失われた視力は回復することはなく、治療せずにいると失明する恐れもあります。当院ではそうならないためにも、早期発見・早期治療に注力しています。

緑内障手術
レーザー治療について

SLTレーザー治療

眼圧を下げる効果があるとして、SLT(Selective Laser Trabeculo plasty)レーザー治療が注目されています。外来で比較的安全に行え、痛みを感じることなく約3分ほどで終了します。眼圧の状態を見ながら複数回行うことも可能です。
SLTレーザーを行うタイミングは、緑内障点眼で眼圧下降が不十分な場合や、緑内障手術の適応だが手術には決心がつかない場合などが挙げられます。

MIGS(マイクロフックロトミー)

「micro invasive gulaucoma surgery」の略語で、日本語にすると「低侵襲緑内障手術」です。低侵襲とは「身体に影響が少ない」という意味です。
これまでの緑内障手術は、手術時間が1-2時間程かかり、切開する傷が4mmほどありました。MIGSは、従来の緑内障手術よりも、短時間かつ小さな傷でできる新しい手術のやり方です。手術時間が10分程度、切開する傷は、従来の半分以下の2mm程度で行えます。
手術の効果は、従来のやり方と同等からやや弱いと言われていますが、長期間のデータがまだ少ないため結論には至っていません。
白内障手術との相性がよく、よくMIGSと白内障手術を同時に行われています。傷を増やすことなく行え、手術時間が数分長くなるだけで緑内障手術ができます。手術を受ける方への負担が大幅に軽減できますので、より早い段階で手術に踏み切ることが可能になりました。当院では、MIGSはマイクロフックによる線維柱帯切開術を導入しています。
先端が0.2mm幅の非常に細いフックを使って、房水の出口である線維柱帯を切開し、眼圧を下げます。線維柱帯は静脈に繋がっているため、切開すると必ず出血が逆流してきます。目の中で出血しますので、術後は必ず霞んで見える状態になります。多くは数日経てば出血が自然に吸収されますので元の見え方に戻ります。

手術後の注意点

必ず前房内が出血しますので、一過性の視力低下が起こりますが、出血は徐々に吸収されます。
術後数週間は眼圧が不安定になります。出血で出口が目づまりを起こして眼圧が上がったり、眼圧が一時的に下がり過ぎることもあります。眼圧の推移を見ながら、適宜点眼で調整を行なって行きます。
傷が開いたり、ばい菌が入る恐れがありますので、目及びその周りを強く押したり、擦ったりしないようにしましょう。

トラベクロトミー
(繊維柱帯切開術)

以前より緑内障手術として広く行なわれている術式です。線維柱帯は、房水の出口についている蓋のような組織で、切り開くことにより房水が目の外にスムーズに流れ出るようになるため眼圧を下げる効果があります。線維柱帯は強膜の中にあるため、厚さ1mmの強膜をの中を薄く切り進め、強膜弁を作成して線維柱帯を強膜の中から掘り出します。見つけた線維柱帯を切開して、房水の流れを良くし、強膜弁を縫合して目の表面を元に戻して手術終了です。

手術後の注意点

術後1~2週間ほどは必ず前房出血が起きるため、一時的に見えにくくなります。
再出血を防ぐために、1週間程度は安静に過ごし下さい。
眼圧が安定するまで、1−2ヶ月程度の期間がかかります。

緑内障インプラント手術

緑内障インプラント医療機器の使用目的

当院で使用する緑内障インプラントは、参天製薬から発売されている「プリザーフロ マイクロシャント 緑内障ドレナージシステム」です。2023年に認可された新しいデバイスで、短時間で手術可能で術中合併症が少ないことが特徴です。

プリザーフロ マイクロシャントを用いた手術方法

上眼瞼の裏辺りの球結膜を切開し、強膜と結膜を広く剥離させ、間にあるテノン組織を切除する。マイトマイシンCを染み込ませたガーゼを強膜と結膜の間に数分間置き、術後癒着予防を行います。角膜に近い強膜を刺し、眼内への通り道を作成し、プリザーフロ マイクロシャントを挿入します。結膜の下にプリザーフロ マイクロシャントを入れ、結膜を縫い合わせます。

手術後の注意点

眼圧が安定するまで、ある程度の期間がかかります。
結膜下にあるインプラントが、目の表面に露出してくることが稀にありますので、目を触らないようにして下さい。
房水が眼の表面に漏出することがありますので、術後眼を擦らないように気を付けて下さい。

トラベクレクトミー
(繊維柱帯切除術)

トラベクロトミーは元々の房水の出口を使うのに対し、トレベクレクトミーは本来の出口とは違う所に、房水の出口を作る手術です。本来の通り道を使わないため、どのようなタイプの緑内障であっても眼圧を下降させる事ができます。しかし、防水の流れが良くなり過ぎると眼圧が低くなり過ぎて目を傷めたり、作った通り道が閉じてしまうと眼圧が急に高くなったりすることがあり、術後管理がとても重要になります。また、房水の出口を目の表面に作るため、ばい菌が眼のなかに入るリスクが上がりますので注意が必要です。トレクロトミーと比べると、ハイリスク・ハイリターンの手術と言えるかもしれません。
手術の手順は、まず結膜を切開して結膜を剥離し、強膜弁を作ります。房水の通り道が閉じないように、マイトマイシンCを染み込ませたガーゼを強膜と結膜の間に数分間置き、術後癒着予防を行います。強膜弁下を切開し、眼の表面と前房を交通させる房水の道を作り、周辺虹彩を切除します。強膜弁と結膜を縫い合わせ、房水が流れ過ぎて眼圧が低くならないようにします。

手術後の注意点

眼圧が安定するまで、ある程度の期間がかかります。
術後癒着が起きてくると房水の流れが悪くなり眼圧が上がってくるので、レーザーで手術中に縫合した糸を1−2週間かけて切開して行きます。レーザーでの糸切りは外来で数分程度で行えます。
房水が眼の表面に漏出することがありますので、術後眼を擦らないように気を付けて下さい。

緑内障手術の費用

手術内容 1割負担 3割負担
レーザー治療 SLT 約9660円 約28980円
MIGS 約14490円 約43470円
トラベクロトミー 約19020円 約57060円
トラベクレクトミー 約23600円 約70800円
インプラント緑内障手術 約34480円 約103440円

※手術費用は保険適応となるため、負担割合によって金額は変わります。また、疾患によっても金額が変わります。
※生命保険等に加入している場合、手術に対する給付金支払いの対象となります。ご加入の生命保険会社にご確認ください。

高額療養費について

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初め から終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
ご自身が加入している公的医療保険に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受 けられます。病院などの領収書の添付を求められる場合もあります。
ご加入の医療保険によっては、「支給対象となります」と支給申請を勧めたり、さらには自動的に高額療養費を口座に振り込んでくれたりするところもあります。どの医療保険に加入しているかは、保険証の表面にてご確認ください。

69歳以下の方の上限額
70歳以上の方の上限額

緑内障手術後のQ&A

緑内障と診断され、現在点眼による治療中です。普段の生活で気をつけることはありますか?

「目を使わない方が良いでしょうか?」とよく質問を頂きますが、そのようなことはありません。目を使って緑内障が悪化することはないため、読書やテレビ視聴の機会を減らさなくても問題ありません。しかし、目を酷使すると眼精疲労や視力低下が生じる原因となりますので適度な時間にしましょう。運動や食事も今までと同じで問題ないですが、喫煙は白内障・緑内障のリスク要因となりますので、禁煙をお勧めします。

緑内障手術によって、眼圧は必ず下がりますか?

全症例ではありませんが、多くの場合は眼圧が下がります。 また、点眼薬の中止や減薬が期待できます。

緑内障の進行は止められないのでしょうか?

緑内障は、眼圧が低ければ低いほど、視野の進行が抑えられることがよく分かっています。人により視神経の丈夫さが異なるため、眼圧の目標値は個々の状況によって変わってきます。完治させることはできませんが、十分に眼圧を下げれば、進行が完全に止まる方もいます。低い眼圧を数年、数十年と長期に渡って維持していくことがとても重要です。そのためには、眼科定期通院が必要ですので、継続して治療を続けましょう。

緑内障の人は風邪薬の服用を控える方がいいと耳にしましたが、本当でしょうか?

閉塞隅角緑内障の方は、風邪薬以外でも薬を服用する際には注意が必要です。成分によっては緑内障発作を引き起こす可能性があるためです。しかし、緑内障発作が起きる可能性がある方が眼科を受診されると、必ず発作が起きないようにレーザーや手術で治療を行います。ですので、眼科で緑内障と診断されて点眼で治療している方は、緑内障発作を起こすことはほとんどありません。

緑内障手術は痛みを伴いますか?

テノン嚢下麻酔を行いますので、手術で痛みは感じることはほとんどありません。手術中は快適なBGMをかけ、リラックスして手術を受けて頂けるよう取り組んでおります。もし、痛みを感じるようであれば、麻酔を追加することができますの、我慢なさらず申して下さい。

手術後に、1度下がった眼圧が再び上昇することはありますか?

緑内障の眼圧が上がる原因は様々なものがあるため、中には眼圧が十分に下がらない、術後早期に眼圧上昇することもあります。大半は緑内障点眼を再開することでコントロール可能です。点眼薬で眼圧コントロールが難しい時は、再手術が必要なケースもあります。