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結膜の病気

結膜について

結膜は、白目の表面を覆っている球結膜とまぶたの裏の粘膜を覆っている瞼結膜から成っています。血流が豊富で、刺激や感染などで炎症が起きると充血して赤くなります。表面に涙の層でコーティングされており、常に潤った状態になっています。目を開けたままにすると、乾燥して表面に空気が触れてしまい、痛みなどの刺激を感じます。瞬きをすることによって、結膜の潤いが保たれています。

アレルギー性結膜炎

結膜が炎症を起こした状態で、主な原因はダニや花粉、黄砂などです。症状は、かゆみが主体で、充血、目やに、涙の増加などがあり、かゆくてこすると、結膜炎がどんどん悪くなり、結膜が風船のように水膨れになったり、瞼が腫れたりすることもあります。数時間から半日程度で、症状が良くなったり悪くなったり変動が大きいのが特徴です。花粉が飛散しやすい春や秋、黄砂の飛来など、季節、環境の要因が大きいです。人にうつることはありません。

春季カタル

重度のアレルギー性結膜炎です。低学年のお子様に多く、特に男児にみられます。炎症が強いと角膜(黒目)に傷がついて、悪化すると視力が低下して日常生活に支障が出てしまいます。症状の重さによって免疫抑制剤、抗アレルギー内服薬、眼軟膏を処方します。

巨大乳頭結膜炎

コンタクトレンズを装用している方に起こることがあります。ブツブツの突起が上瞼の裏側に発生する疾患です。症状として、充血、目のゴロゴロ、目やに、レンズのずれや汚れなどが生じます。コンタクトレンズを中心的し、点眼薬や眼軟膏で治療を行います。重度の場合はステロイド点眼や免疫抑制剤点眼を併用します。

花粉症

花粉症花粉症とは、花粉によって起こるアレルギー反応で、目や鼻に症状が起こります。鼻や目の粘膜に植物の花粉が付着して、くしゃみや鼻水、涙目などのアレルギーの症状が生じます。日本には花粉症の原因となるスギやブタクサ、ヒノキなど多くの植物が存在します。
「ある時期になるとくしゃみや鼻水がたくさん出る」と感じる方は花粉症の可能性があります。該当する方は、当院までご相談ください。

花粉症の原因
となる植物
花粉が飛散
する時期
スギ 1月~4月
ヒノキ 3月~5月
カモガヤ 5月~7月
ヨモギ、
ブタクサ
8月~10月

感染性結膜炎

ウイルスや細菌が感染することで結膜に炎症が起きる疾患全般を結膜炎と言います。人にうつりますので、小まめな手洗いや、タオルを共有しないなど感染予防が必要です。特に、はやり目と呼ばれる流行性結膜炎は感染力が強く、完治するまで登校・登園禁止になりますので注意しないといけません。下記のような症状がある際は、お早めにご受診ください。

感染性結膜炎の主な症状

  • 充血して結膜が赤い
  • 目やにや涙の増加
  • のどの痛みや発熱がある
  • 目に異物感があってゴロゴロする

感染性結膜炎の治療

抗菌薬点眼と、非ステロイド性抗炎症点眼で治療開始します。炎症が強い場合には、ステロイド点眼薬を用いたり、瞼の腫れが強い場合には目に入れても問題ない眼軟膏を使用することもあります。また、感染した細菌やウイルスの種類によって治療法が異なることもあります。適切な治療を継続すれば、視力が下がることは稀です。完治するまで治療を受けることが大切です。ウイルス性の場合は、完治するまで1ヶ月程度要するものもありますが、大半は1−2週間で治ります。

はやり目は学校保健法で第三種指定のため「完治するまで出席禁止」です。医師が完治を確認し、登校または登園許可証明書を記載することで登校・登園が可能となります。

感染性結膜炎の予防

  • タオルの共有は避けましょう。
  • こまめに手を洗うことを心掛けましょう。
  • 感染した人は、湯船は最後に入るかシャワーのみにしましょう。
  • お子様が感染したら、医師の指示に従って登校・登園を控えましょう。

結膜下出血

結膜にある血管が破れて出血が起こり、白目に真っ赤な出血が起こります。ドライアイのために結膜が乾いたり、加齢によって結膜が緩んでシワが寄ると、結膜の血管が引っ張られやすくなります。見た目は派手ですが、痛みはほとんどなく、目の中がゴロゴロするように感じる程度ですので、他人から指摘されて気がつくことも良くあります。2週間程度で自然と吸収されて治りますので心配は入りません。視力には影響するものではないですし、全身疾患との関連もありませんので、繰り返し起きたとしても問題はありませんが、結膜炎との区別がつきにくいことなどもありますので、ご不安がありましたら眼科を受診しましょう。ドライアイ点眼などを行うことで、結膜表面を整え出血が起きにくくすることができます。

翼状片

白目を保護している結膜が、黒目方向に伸びていく疾患です。比較的高齢者に多い疾患で、発症には紫外線が関わっていると指摘されていますが、明確な原因は分かっていません。放置してもしばらくは支障はありませんが、充血や目の違和感などの症状が出現したり、黒目の中心に伸びてきて、乱視や視力低下をきたすようなら治療適応になります。点眼薬で治療開始し、改善がなければ手術を行います。
手術は、日帰り、局所麻酔で可能です。再発を予防するために、有茎結膜弁移植を行うため30分程度要します。黒目の表面を剥がすため数日は疼痛が強いことがありますが、上皮が張ることにより徐々に改善します。詳しくは当院スタッフにお尋ねください。