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近視進行抑制治療のアレコレ

世界的に近視の低年齢化が指摘されており、眼科クリニックとしても学校健診時期になるとお子さんが増えているように感じます。(学校健診については以前にコラムにまとめていますので、詳しくはこちらをご覧ください。)

 

近視になると網膜剥離や緑内障のリスクが高まる事がわかってきていますので、眼科医療において学童期に近視進行抑制治療を行う事が重要視されています。

そこで、今回は日本国内で行われている近視進行抑制治療について眼科専門医の立場からお伝えしたいと思います。

子供の近視が気になる、視力低下が心配、近視進行抑制治療が気になる、という方はご覧ください。

 

■近視進行抑制治療とは?

体の成長に伴って眼軸(目の奥行)が伸びて近視が進行します。

この時期に適切な治療を行うと、近視の進行が緩やかになったり、進みづらくなったりします。この治療を近視進行抑制治療と言います。

 

一度伸びた身長が縮まないように、一度伸びた眼軸長を戻すことはできません。そのため、近視が進行する前に早く治療を始めることがとても重要です。眼軸長は生後より体の成長と共にどんどん伸びて行きます。個人差がありますが、15歳から20歳頃に眼軸の伸びは止まります。この伸びている時期にしか治療効果は期待できません。

さらに、年齢が低いほど眼軸は伸びやすいため、近視が出はじめた時期から、速やかに治療を開始することが推奨されています。

 

■国内で行われている近視進行抑制治療

国内で行われている治療は、低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ点眼、マイオピン点眼)、オルソケラトロジーが一般的で、その他レッドライト治療があり、マイサイト(MiSight®)というソフトコンタクトレンズや、MiYOSMARTという特殊な眼鏡が発売を予定されています。

 

大きく分けると、

低濃度アトロピン治療:リジュセアミニ点眼、マイオピン点眼

・抑制効果があるコンタクトや眼鏡:オルソケラトロジー、マイサイト、MiYOSMART

・特殊な波長の光を利用した治療:レッドライト

に分けられます。

 

作用の仕方が違うため、お子様の目に合った治療を選択する事が重要です。

費用が安い治療から始めた結果、近視が進んでしまっていたというケースもありますので、適切な検査と提案を行ってくれる眼科医院で治療を受けられる事をお勧めします。

 

■近視治療と近視進行抑制治療の違い

近視治療と近視進行抑制治療の違いがややこしいので解説しようと思います。

近視治療はレーシックやICLが代表的で、広い意味では眼鏡やコンタクトレンズも近視治療になります。これらの治療を行うと、近視を打ち消すことで視力が改善できます。しかし、この治療は眼軸長を短くして近視を治しているわけではありません。上でも少しお話ししましたが、眼軸長が長くなることで、将来の目の病気のリスクが高くなることが重要な問題だと眼科医は考えています。レーシックやICLでは近視がなくなり裸眼視力は良くなりますが、眼軸は変わりませんので、将来の目の病気のリスクは高いままです。

近視進行抑制治療は、眼軸を長くならないことで近視が進むのを抑えます。眼軸が短いと、将来の目の病気を防ぐことができます。

近視進行抑制治療は現在の裸眼視力が落ちにくくなる上に、50―60代になった時に、緑内障などの目の病気になることを予防できることがとても大きなメリットです。