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白内障手術の後はいつから普段通り生活できるの?

「白内障手術をした後にいつから車の運転ができますか?」

「手術後はいつからゴルフができますか?」

など、白内障の手術をした後にいつから日常通りの生活ができるか、というご質問をよく頂戴します。

今回は白内障の手術後の生活について眼科専門医の立場から解説したいと思います。

■白内障手術の後に制限がある理由

白内障手術では角膜(黒目の部分を覆う透明な組織)に1〜2mmの切れ込み(切開創)を入れ、そこから手術の器具や眼内レンズを挿入します。

手術後は、この切開創がしっかり塞がるまで目の中に細菌が入る可能性があり、それを防ぐために控えてもらうようにしています。

白内障手術当日から翌日の診察までは眼帯をします。診察し経過良好であれば、以後は眼帯は外して頂きますが、術後1週間は保護メガネ装用をお願いしています。

  • ■車の運転

手術当日から翌日の診察までは眼帯を着けているため、車の運転はできません。

翌日の診察で眼帯が外れた後、視力が十分に出ている場合は運転できることもありますが、術後数日は見え方が変わることがあるため、運転は控えた方が良いでしょう。

数日過ごして見え方に慣れてきて、危なくないと思われるようなら、近距離から運転を再開するようにお願いしています。ほとんどの方は、手術して1週間程で問題なく運転できるようになります。

  • ■入浴

首から下の入浴やシャワーであれば手術翌日から可能です。

術後3日目からは、ご自身での洗髪も可能ですが、シャンプーなどが目に入らないように気をつけて下さい。美容院などで他の人に洗髪してもらうのであれば、手術翌日からで問題ありません。

  • ■飲酒

可能であれば数日はお酒は控えた方が良いですが、常識の範囲内(ビール500ml、日本酒1合程度)であれば、手術翌日からでも問題はありません。

飲酒による転倒で眼球を打撲すると大変なことになりますので、深酒は厳禁です。

  • ■仕事や家事

デスクワークであれば翌日からでも可能です。

軽い家事であれば翌日から可能ですが、力を入れるような作業は控えた方が良いでしょう。重たい荷物を運ぶような仕事は1週間程度は避けた方が安全です。

土埃などが目に入ると感染が起きる可能性があるため、土いじりや粉塵が舞う作業は1ヶ月は控えて下さい。

ゴルフも土埃などが舞う可能性があるため、ラウンドは1ヶ月は避けるようにして下さい。練習であれば、術後1週間から問題なくできます。

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  • ■眼鏡の作成

視力の安定するまで2~3か月かかることもありますので、少なくとも1か月は待ってから新しい眼鏡を作成すると良いでしょう。現在お持ちの眼鏡である程度見えるのであれば、視力安定するまで使用していたくこともよくあります。度数が多少ずれている眼鏡を使用することで、視力が下がったり眼が悪くなるものではありませんので安心して下さい。

近視の方の場合は、合う眼鏡が無いと生活に支障が出ますので術後1週間程度で作成する場合もあります。眼鏡店によっては、一定期間レンズ交換無料の対応をしてくれることもありますので、確認をお勧めしています。度数が安定する2−3ヶ月後に再度眼鏡チェックを行い、必要に応じて作り直すということもしています。

今回は白内障手術後の生活について、おおよその目安をお伝えしました。

あくまでも目安に過ぎませんので、手術を執刀してくれた医師に確認し、安全に日常生活に戻るようにしましょう。