白内障の種類について
診察をする中で患者さんから頂く質問に
「糖尿病があると白内障が進みやすいって聞いたけど本当?」
「先天性白内障って何?」
など、白内障の種類や他の病気との関連を心配するものがあります。
そこで、今回は白内障の種類について眼科専門医の立場からお伝えしたいと思います。
■白内障の種類
白内障は大きく分けると先天性白内障と後天性白内障に分かれます。
ほとんどの白内障は加齢を原因とした後天性白内障で、先天性白内障はまれな病気です。
- 先天性白内障
うまれつきや生後早期に水晶体が濁る病気で、遺伝的な要因や母体内での感染が原因となり発症します。1万人に3人の割合で発症する稀な病気ではありますが、濁りが強い場合は視力の発達が遅れたり、重度の弱視をきたしたりしますので早期に手術月が必要なことがあります。
- 後天性白内障
白内障のほとんどは後天性のもので主なものは、
・加齢性白内障
・糖尿病やアトピー性皮膚炎などの全身疾患によるもの
・薬剤による併発白内障
・ステロイド白内障
・ケガが原因で発症する外傷性白内障
後天性白内障の中でも大半を占めるのが加齢性です。
また、紫外線の暴露が白内障進行を早めることがよく知られています。
■濁り方の種類
同じタイプの白内障でも濁り方は様々で、見え方への影響の仕方が異なります。
● 皮質混濁
水晶体周辺の皮質と呼ばれる部分から濁ってくる濁り方です。
加齢性白内障によく見られる症状で、一般的にはまぶしく感じやすい濁り方です。
具体的には明るい場所で見えづらい、光をまぶしく感じる、かすんで見えるなどの症状が表れます。
- ● 後嚢下混濁
水晶体の後ろ側にある後嚢と呼ばれる部分から濁ってくる濁り方です。
併発白内障やステロイド白内障でよく見られる症状で、視力が下がりやすい特徴があります。強いまぶしさを感じる方もいらっしゃいます。
- ● クリスマスツリー白内障
水晶体の中に、赤色や黄色、緑色などのキラキラしたオーナメントのようなものが散っているような濁り方をすることがあります。比較的稀な濁りで、本人がキラキラした綺麗なものが見える訳ではありませんが、診察すると時々観察できることがあります。
白内障は濁り方によって視力が出ていても見え方が低下する場合があり、一概にどの程度視力が低下したら手術をしなければいけない、という事はありません。
眼鏡を調整しても見えづらい、太陽の光がまぶしく感じる、夜間の車のライトがぎらついて見えるなど、見え方で困る事があれば早めに眼科を受診されると良いでしょう。



